<公務災害>教諭自殺の背景 生徒の暴力認定 大阪地裁(毎日新聞)

 堺市の市立中学に勤めていた女性教師(当時51歳)が自殺したのは生徒の暴力など過酷な勤務が原因として、夫が地方公務員災害補償基金(東京都)に公務外災害とする認定処分の取り消しを求めた訴訟の判決が29日、大阪地裁であった。中村哲裁判長は「生徒から暴力を受けるなど強度の精神的ストレスが積み重なった状態で、公務としての過重性があった」と公務災害を認め、処分を取り消した。校内暴力によるストレス自殺を認める判決は異例という。

 判決によると、女性教師は76年、大阪府教委に採用され、96年からこの中学に勤務。2年生の学級担任だった97年6月、うつ病と診断され、同11月入院して休職。通院治療中の98年10月、自殺した。

 この中学では当時、チャイムが鳴っても教室に入らない生徒が多く、注意しても「死ね」「殺すぞ」などの暴言が返ってくるのが日常茶飯事だった。教師への暴力は97年4〜11月、6人に対し計20件。自殺した女性教師は、ノート未提出のまま帰ろうとする生徒を注意して腹部を殴られたり、椅子に座ったまま職員室内をぐるぐる引き回されるなどの被害を受けていた。また問題解決は個々の教師任せにされていた。

 判決は「異常とも言うべき勤務環境に加え、学校側から何らの軽減措置や支援策が講じられた形跡は認められず、精神障害を発症させる程度に過重な心理的負担だった」と指摘した。この学校によると、現在は暴力などはほとんどなく、教師の健康管理や職場環境について専門医と連携し、学校を挙げて取り組んでいるという。

 夫は00年、地方公務員災害補償基金大阪府支部に公務災害認定を請求したが、公務外災害とされ、再審査請求も退けられていた。【堀川剛護】

 ▽地方公務員災害補償基金の話 判決内容をよく検討した上で今後の対応を判断する。

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